「魅力ある企業の創造」(20)

 今回も引き続き、担当者の職務のあり方について考えていきます。前回は、❶能動的業務遂行スタイルにすることでした。今回は、❷戦略的な攻め方をマスターさせることです。従来の働く環境は、競争環境を強いるものではないため、工事が遅れても、原価アップが発生しても、仕方のないこととして処理していました。このぬるま湯的な環境を一変させ、担当者を競争環境下に置き、他の担当者に負けない気持ちを植え付けるため、工事案件に入る前に、発注者(顧客)や下請け業者などに対する戦略的な攻め方を考えさせるものです。この当該工事に臨む心構えや施工方針、利害関係者への対応姿勢を、明らかにすることです。この戦略的な攻め方を前面に出し、戦うことは、若者のモチベーションには、大きく影響し、経営的な視点に繋がります。これからの若者が、中小建設企業において、起業家をめざす上でも、重要な要素となります。担当者は、目の前の忙しさや従来の考えに流されることなく、当該工事に対する戦い方や組織の方向性を提示した上で、業務遂行をすることになります。

 次に、❸利害関係者である相手を意識し、信頼関係を構築できるよう対応することです。自社や自己中心的な考え方或いは、対応の仕方では、目先の利益だけに目がいき、建設業が提供するインフラ整備というサービス向上に繋がらないものになってしまいます。現在の建設業は、元請け下請けという重層構造であり、今後、この重層構造を変え、新たなパートナーの枠組みに変換することがない限り、利害関係者の協力が得られない可能性があります。従って、利害関係者と最前線で対応する担当者の行動は、お互いの利益を考えたものであるべきです。但し、時代の動向や顧客のニーズなどにより、提供する商品やサービスの価値向上をめざすものの、そのかかる原価を以下に下げられるかという、相反する取り組みを、考えていかなければなりません。協力だけでは駄目であり、そこに商品やサービスの価値に着目し、知恵を出し合う活動が求められます。

 最後は、❹情報を共有化することです。まず、情報に関する考え方を、大きく変えなければならないと考えます。特に、担当者は、情報を埋没させることがあってはなりません。しかも、その情報は、誰もが、容易に分かり、次なる行動に移せるものでなければなりません。従って、口頭ではなく、記録に残す必要があり、文章化が求められます。そして、情報は、共有化され、活用されることです。パソコンの中に埋もれさせるものではないし、資料として、倉庫に保存するためのものでもありません。

 次回は、顧客創造について考えます。

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