建設の歴史探訪「江戸のまちづくり」江戸の職人(43)

 今回は、江戸の職人の暮らしぶりについて考えます。まず、職人の職住(職場と住居)を取り上げます。職人の職住スタイルは、2つ(居職と出職)です。居職は、主に家の中で仕事をする職人のことです。例えば、日常生活に必要な「桶」、「笊」、「鍋」、「釜」、「衣類」、「下駄」などをつくる職人です。

 出職は、外へ出て働く職人のことです。例えば、「木挽」、「大工」、「鳶」、「左官」、「屋根葺」、「瓦師」、「畳刺(畳職)」、「造作大工(天井、床板、階段、棚、敷居、鴨居など)」、「建具大工(戸、障子、ふすまなど)」をつくる職人です。この出職と呼ばれる職人は、通勤に多くの時間をかけることはなく、「丁場」という作業現場と「飯場」という食事何処や寝泊まり所が近く、移動などで身体が疲れることはなかったと言います。

 当時、花形職人とは、「大工」、「鳶」などでした。この職人たちは、藍染の仕事着を着ていました。紺木綿でつくった腹引に腹掛、半被です。腹掛は、前面下部に共布のどんぶり(ポケット)をつけたもので、背部は、共布を斜め十文字に交差させていました。

 次に、職人の働く時間を取り上げます。職人たちの一日の労働時間は、通常、8時間でした。例えば、大工、左官は、朝六つ半(午前7時)に作業現場に来て、夕方七つ半(午後5時)頃まで働きます。休憩は、昼四つ(午前10時)の小休止(一刻=約30分)、中食昼六つ(午前12時)の昼食(半時=約1時間)、昼八つ(午後2時)の小休止があり、実質的には、1日の労働時間は、8時間です。但し、昼が短くなった冬季には、1日の労働時間は、4時間だった時も存在しました。又、大工などの仕事は、突貫作業を強いられることもあり、朝早くから出勤し、夕方遅くまで働くと、所謂、早出残業となり、手間賃は増額されました。

 次回も、職人の暮らしぶりについて考えます。

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