企業改革「経営者の決断」(4)

 今回は、赤字等に陥っても事業を続けている企業について考えます。次のL社の実態を見てみましょう。L社は、土地などの不動産や家賃収入などの営業外収益で、営業利益の赤字を補填し、経常利益をプラスにしている状態で、事業を継続しています。本来、本業において、如何に利益を上げたかで、組織を評価すべきです。ところが、営業外収益を含めた手持ち金で資金繰りが回っているため、問題なく経営が維持されていると勘違いしているケースです。これは、非常に問題です。しかし、経営者にその認識はないようです。L社の経営状態は、本業で営業利益がマイナスであり、最悪の企業と言えます。事業を継続していますが、企業の目的は、本業において利益を確保することです。早く、このことに気づき、経営を立て直すことを決断すべきです。このままでは、経営者失格です。

 もう一社、M社の実態を見てみましょう。決算上、プラスの経常利益を維持しています。しかし、月々の運転資金が一時的にショートし、金融機関からつなぎの融資を受け、運転資金を補填し、事業を継続しています。M社の原因は、受注を予定していた工事の契約が遅れ、着工が伸びてしまい、担当を予定していた現場代理人に仕事が回らないことが、多々発生しています。工事の受注を確保しているにも限らず、入金のお遅れが発生しています。M社では、先行した入金や支払いの管理ができていないため、場当たり的な資金繰りとなっています。そのために、月々の運転資金が一時的にショートする状況が散見するのです。借り入れをすることは、支払利息が発生し、無駄な費用が掛かっていることが、当たり前になっているのです。

 この2つの事例は、事業が継続されていることは、評価すべきですが、経営者は、何のための事業なのか、よく考えるべきです。早めの決断が求められます。

 次回は、企業価値向上に繋げられない企業の実態について考えます。

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