建設の歴史探訪「御普請」(16)

 今回は、街道の整備における「御普請」について考えます。街道の整備の中でも五街道は、幕府挙げての一大事業なため、大量の人足や資材が必要な街道でした。これらの整備は、「御普請」という幕府が行う土木工事のことで、「御手伝普請(諸藩が人夫又は人夫賃などを提供して行う普請のこと)」とも呼ばれています。

 この「御普請」の主体である幕府が、諸藩の大名を動かし、大量の人足や資材を調達していきました。幕府は、今でいう公共工事の発注者ですが、事業予算もなければ、人足や資材もなく、受注者である諸藩の大名に、幕府の権力を行使して、その人足や資材を調達させるために、米や荷役を課していきました。

 この「御普請」を行う上で、土木技術の開発も進んでいきました。まず、普請の前に、現地調査の上、目論見(工事計画の概要づくりや工事費の見積)が行われました。次に指図(設計図)が作成され、普請に必要な人足数や資材の帳簿(数量拾い、内訳明細書)が作成されていきました。これらの段取りができると、いよいよ普請が始まり、無事を祈って地鎮祭を執り行い、普請に移っていきました。

 次回も、「御普請」について考えていきます。

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