コストマネジメントによる戦略的な組織構築(52)

今回は、前回に引き続き、生産機能戦略の定義について明らかにします。前回は、①原価管理機能、②購買管理機能の定義について考えました。今回は、③現場運営機能です。受注後、施工に必要な顧客情報等引継ぎ書類(設計図書等)に基づき、当該現場の踏査、調査等を行い、仮設や施工計画、要員資機材計画、クリティカルパスを明確にした工程を立案します。この際、実行予算と連動させ、工程と原価が一体化した管理となるようにします。これらの計画等は検証を適宜行うことで、現地に適した仕様や工法なのか、設計図書と相違がないか等を精査します。必要に応じて施工図の作成、要員資機材の手配段取りを進めます。

施工は、発注者及び設計事務所、元請け下請け等利害関係者による事前の打ち合わせを行い、着工していきます。その際に、発注者及び設計事務所からの指示事項、承認承諾事項も含めて文書による管理を徹底します。又、下請けに対しても、必要に応じて指示書を出し、注文書や約款に記載のない内容について、明確にしておきます。さらに、日常的に発生する施工管理(原価管理、品質管理、工程管理、安全衛生管理等)を遂行し、施工を監視します。問題が発生した場合、直ちに調査並びに問題の原因究明を行い、設計仕様に関わる問題は、発注者並びに設計事務所と協議できるよう準備します。現場で処理可能な問題は、下請けと協議し、問題解決を図ります。

次に、④設計変更機能です。③現場運営機能における事前の準備や日常的に発生する施工管理において、設計変更に関わるものは、本来営業機能の契約機能に該当します。しかし、建設業では、受注前の契約行為と受注後の契約行為を識別し、生産機能に位置づけました。設計変更は、発注者並びに設計事務所との協議事項となり、建設業法や約款の条文に照らして交渉が行われます。まず、③現場運営機能により、協議可能な情報、データを準備し、社内で内容の検討を行い、承認を得ます。そして、発注者並びに設計事務所と協議に入り、交渉後変更契約を締結します。その後、下請けとも変更契約を締結し、変更した契約内容に従い、施工に入ります。

定義上は、以上の内容になりますが、未だ不明な商い慣行が横行し、不適切な契約行為となっている場合が散見します。この設計変更機能は、利益確保に大きく影響します。従って、企業により、コア機能にもなります。

次回は、管理機能戦略について考えます。

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