コストマネジメントによる戦略的な組織構築(38)

今回は、企業の意思決定について、経営者自身がどのような対処方法をとるべきか考えます。前回、企業の意思決定は、企業の将来を決する上で重要な職務であると述べました。

そこで、手っ取り早い方法としては、ブレーン(専門家)を確保することです。但し、経営者にとり信頼のおけるブレーンを探すことはそう簡単ではありません。しかも、ブレーンは身近な存在ではありません。では、どのような対処方法が考えられるでしょうか。

結論から言えば、「意思決定を行う際の根拠を持つこと」です。一般的に、意思決定を行う際、経験や前例を拠り所にすることが多いでしょう。しかし、今や経営環境変化の流れが速く、経験は拠り所にはなり得ません。そこで、論理的な根拠、つまり判断基準が必要になるのです。

例えば、中小建設企業の雇用について見てみましょう。今までの終身雇用制度は崩れ、若い人たちにとり、建設業に留まり、魅力的な将来が見える業界でしょうか。「仕事自体に魅力がない」「人間関係の複雑さや労働環境の劣悪さ」「休日の取得が厳しい」「給与と仕事が連動していない」など若い人たちが辞めようとする理由は数多です。以前は、企業のために頑張ろうといった愛社精神或いは自己犠牲の意識を持った社員が主流でした。経営者の言っていることに納得できなくても、しょうがないといったものでした。

しかし、今は経営者の言動が、将来に対して不安を払拭できないや確固たる方向性がないなどで、入社しても簡単に離職してしまうでしょう。これらすべて、経営者の意思決定がないまま推移していることです。

つまり、経営者の意思決定こそが求められ、論理的根拠或いは客観的判断基準を持つことが重要なのです。社員自身、自ら納得し、職務遂行にまい進できる環境を創ることが必要です。

次回は、「④全社的な事業戦略と機能別の戦略」について考えます。

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