コストマネジメントによる戦略的な組織構築(32)

今回は、戦略の前提、さらにその前提からどうやって戦略を組み手てていくのかについて考えます。

戦略は、コストマネジメントシステムを繰り返し続けるために、経営者のブレない考えや思いが必要です。つまり、戦略に魂を入れるということです。そして、その魂こそが、「経営哲学」なのです。経営哲学と聞き、難解なものだと諦める必要はありません。日常業務における拠り所となる、分かりやすい表現の内容だからです。しかも、経営者にとり、企業の経営危機や負のスパイラルに陥った時こそ、この経営哲学が打開策の一手となるのです。例えば、次のような経営が厳しい状況に陥ったケースを見てみましょう。

「G社の厳しい状況とは、資金繰りの悪化です。特に、固定費である人件費が常に重く伸し掛かる事例です。出ていく費用の人件費削減を断行したいが、手持ち工事の進捗に影響を及ぼすために、削減はできない状況でした。時間だけが経過し、知らぬ間に赤字となっているケースです。」

さて、このようなケース、つまり負のスパイラルに陥らないためには、組織を統制し、その組織が一丸となり解決の方向に向かう必要があります。その際の経営者の経営哲学を見てみましょう。「①徹底して発注者、お客様に寄り添い、そのニーズを拾い、気配りを忘れないこと、②働く社員が、この企業で働きたいと思わせるモチベーションを提供し続けること、③時代感覚を磨き、社会のニーズに応える技術、サービスを提供し続けることなど」

これらの考え、思いが、このG社経営者の経営哲学です。経営者は、この経営哲学に基づき、戦略を組み立てることになります。その戦略とは次のような内容を言います。「企業が将来に向かって、どう戦うべきかといった中長期的で独自の方向付けのこと」です。具体的には、①社員を一つの方向に向かわせるある方向を提示すること、②時代の経営環境変化を捉えたニーズへの対応、③経営者の意思決定、④全社的な事業戦略と機能別戦略、⑤戦略の検証及び変更などです。

次回は、5つの戦略の内容について考えます。

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