コストマネジメントによる戦略的な組織構築(31)

今回も、前回に引き続き戦略との連動について、具体的な事例に基づき考えます。B社の例です。

「B社は、A社同様に直営を抱え、現場技術者も多く抱える地元の大手企業です。事業計画が策定され、ある戦略課題の活動に入るとき、工事部長は、部下である現場技術者に対し、工種毎の歩掛りを採取し、下請け業者との取極め時の判断材料とするよう指示しました。又、この戦略課題には、もう一つの狙いがありました。それは、生産性向上です。外部購入価格の削減を図るために、工事部長が打ち出した戦略課題でした。

ところが、多くの現場技術者から、そのような歩掛りを採取する時間はないと言い出し、余計な仕事が増えて困ると言い出す始末です。直営の世話役に至っては、全く関心も興味も示さない状態でした。工事部長は、頭を抱えてしまいました。歩掛りを採取し、生産性向上に繋げるこの戦略課題は、大変素晴らしい考えですが、当の現場技術者や直営の世話役たちは、このようなことは無理だと言い、改善に取り組もうとしません。ましてや、知恵や工夫を出して考えていくプロセスが閉ざされてしまった瞬間でもありました。」

このB社は、組織も大きくなり、工事部長の指示という権限が機能しない事態は異常です。このことは、今まで属人的且つ現場技術者任せにしてきた企業のあり方に問題があったためです。社員は、改善の当事者にはなりたくないといった甘えが通り、企業は社員の逃げを受け入れてしまうという甘えがあるからです。B社は、まさに今、立ち向かうための戦略が必要です。

次回は、この戦略に踏み込んで考えます。

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