コストマネジメントによる戦略的な組織構築(23)

今回は、部門責任者の本来職務について具体的に考えます。

まず、経営者及び経営幹部と関係する職務についてです。多くの企業で、取締役と部門責任者を兼務している場合があります。これは、取締役と部門責任者の2つの職務が並行して行われていれば、特に問題でもありません。しかし、繰り返しになるかもしれませんが、きちんとその職務が遂行されていない場合が散見するため、ここは大いに問題が山積しています。企業の経営上、重大なる課題という認識が欠落しています。

さて、部門責任者の職務に戻りますが、以下の職務が考えられます。

①取締役会で決定された経営課題に対する、取締役の指示の下、市場調査や自社の実態調査、②その調査結果を踏まえた分析(課題や提言なども含まれる)、③上記に伴う報告書作成、取締役への報告、④取締役より指示された各運用システムの実態報告などです。

①の調査に関して、今後自社の方向性のカギを握る情報を掴むためにも、重要な情報収集です。目の前の業務しか関心のない部門責任者では、給料泥棒と言われても仕方ありません。将来に向けた方向性を経営者が描くために、市場の情報は常に把握すべき情報です。又、自社の実態、即ち組織に関する情報も部門責任者が常にアンテナを張り、将来へ向けた方向性に対応できる組織をつくらなければなりません。自社に足らない知識、能力は何なのか、必要な教育は何かなど、自社の弱点を補強することが必要なのです。こういった実態を的確に掴み、経営者に報告することが求められるのです。最終決定は、取締役会です。

次に、担当者へのマネジメント業務です。決して、担当者不足を考えた自らの支援ではありません。以下の職務が考えられます。

①企業の事業計画に基づく、部門の戦略課題別アクションプラン策定、②そのアクションプランの活動監視、③同じく実績との比較分析、④同じく改善提案作成&担当者へフィードバック、⑤業績集計、評価検証、⑥経営者及び経営幹部への活動、業績結果報告などです。

経営者及び経営幹部が策定・承認した事業計画を各部門は具体的に活動していきます。しかも、通常行うルーチンワーク及び担当者業務とは別に将来へ向けた課題への対処があります。事業計画を折角立てたのに、従来通りの業務だけなんてありえません。事業計画を立てた意味もありません。これが、アクションプランです。社員の中には、通常業務で対処できると考えている人も存在しますので、注意する必要があります。ましてや、部門責任者であっても、担当者業務から抜け出せていない人もいますが。部門責任者が、本来職務を認識できないと経営が機能しません。

さて、次回は、担当者の職務について、経営との繋がりを考えます。

最新記事

アーカイブ