コストマネジメントによる戦略的な組織構築(19)

今回は、取締役本来の職務の一つである「部門業務をコントロールするシステムの構築&運営」について考えます。次のようなことに心当たりはないでしょうか。例えば、取締役自身がある行為に対し意思決定を下し、その結果が悪かろうが、他の社員には誰も文句が言えない状況等です。取締役の職務とは、何なのか考えされられる場面です。

これは、「組織は長いものには巻かれろ!」的な典型的な状況を表しています。中小建設企業では、役員とは言えども、部門責任者を兼務している企業が多く、これ自体問題ではありませんが、取締役の職務が遂行されていないことは、大問題です。このことに全く気付いていない企業が散見しています。

では、どうすればよいでしょう。兼務すること自体問題ではないと言いました。しかし、取締役の職務は、システムにより組織をコントロールする体制を構築し、そのシステムを運営させることなのです。部門責任者としてシステムを遵守し、ある業務を遂行することとは、全く職務が異なります。先ほどの文句が言えない例では、システム上のルールを破る或いは問題発生でももみ消すなどあってはならないことが起こっています。つくらせた本人が守らないことになり、このような取締役は、取締役の職を辞すべきです。

取締役とは、構築されたシステムにより、業務の遂行、問題の抽出及び解決の方向付け、改善策の立案、フィードバック等、自身にその活動が報告され、運用の適否が判断できることが重要なのです。

システムを構築する際のポイントを挙げます。

①部門業務をコントロールできる機能を体系化した組織の構築

②組織の権限と責任、指示命令系統、組織構成員の職務の明確な規定

③客観的な判断基準により、業績評価と処遇、恣意的且つ主観的な評価は厳禁

④信賞必罰の明確化

⑤情報の共有化と隠ぺいや情報操作の禁止

等です。取締役へ報告される情報は、事実と異なる意図的につくられた情報や大事な情報が欠落することがないようにすることです。システムだから自動的に加工・処理されるということではありません。必ず人が関わるものです。システム内で確実にマネジメントすることが必要となります。

さて、次回は部門責任者にスポットを当て、経営と現場の職域に隔たりがあることに着目します。

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