コストマネジメントによる戦略的な組織構築(15)

今回は、経営者及び経営幹部が、現場で発生する問題に対し、部門責任者或いは課長クラスに権限を委譲し、意思決定させ、責任を取らせるなど目の前の仕事だけに専念するようなことから脱却するために、取締役本来の職務について考えていきます。

まず、委譲した部門責任者などに「現場の状況を定期的に報告させる」です。ところで、役付き役員である経営幹部でも、現場だけが仕事場と勘違いしている人がいます。特に、プロパーで育った現場上がりの役員は、猶更強く感じられます。勿論、現場が心配なのはよくわかりますが、部下に委譲することも仕事でしょう。いつまでも、ご自身が部門責任者にしがみ付いているようでは、先が思いやられます。

そこで、委譲した部下から現場の状況を定期的に報告させることです。当然、報告の仕方やその内容に至るまで、不十分なところがあれば修正させ、時間をかけて部門責任者の職務を指導すべきです。今まで、ご自身が現場に赴き、檄を飛ばしていたことができないと、何をすればよいのか不安になる人もいるかもしれません。こういった企業に共通の課題は、取締役本来の職務に価値を見出していないことなのです。ここが大事なところです。将来を創造できず、事業量が減少し、若い人材が採用できないなどの課題に対し、何の手立ても打てない、役立たずの役員となるのが、こわいのです。

新たな職務に挑戦しなければ、取締役とは言えません。今まで培った知識や能力も必要ですが、経営という今まで経験してこなかった領域に踏み込むためには、是非とも新しい職務を習得していかなければならないのです。そのために、従来の職務から少し離れる必要があります。完全に離れることはできませんので、委譲した部下より、定期的に現場の状況を報告させ、安心して任せられる部門責任者に育てることです。そこで、ご自身は次のステップ、つまり取締役本来の職務に就くことになります。

次回は、取締役本来の職務である、「取締役会の開催」について考えます。

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