コストマネジメントによる戦略的な組織構築(13)

今回は、前回までコストマネジメントと現状の原価管理の違いについて考えました。結論から言えば、コストマネジメントが理解されてこなかったかがわかりました。では、何故コストマネジメントが理解されず、受け入れられてこなかったのか、言及していきたいと思います。まず次の3つは、今までの経営と現場との関係性に大きな隔たりがありました。

①「経営者及び経営幹部の現場の課題に対する意識或いは対応」

②「部門責任者の経営と現場を繋ぐ役割」

③「担当者の職務と経営との繋がり」

です。

さて、①「経営者及び経営幹部の現場の課題に対する意識或いは対応」について見てみましょう。まず、経営者及び経営幹部の意識が、現場のあり様や活動の姿などが既成概念化していることです。つまり、こうあるべきだという姿が、既に頭の中に描かれていて、そこから新たな取り組みが生まれてこないのです。進化することがないと言えます。このことは、大きな障害となり、現場の担当者の能力向上を阻害しています。

次の事例を見てみましょう。

「かつての部下である、現在の工事部長兼取締役も、現社長の指導を受けた一人で、社長崇拝者であった。時代は変わり、今や工事量も激減し、企業継続に赤信号が灯り、社員のリストラも覚悟しなければならないほど、利益確保が難しくなっていた。ところが、現場管理のスタイルは従前と変わらず、コスト低減を図るための対策も、新たなシステム構築もなく、現在に至ってしまった。」

つまり、大きな障害は、良き時代の既成概念のまま、現場管理を継続していることにあるのです。これを否定することは、自分自身や現社長をも否定することになると思い、変えられずにいるのです。時代の流れに伴い、考え方や現場管理の仕方、技術など変化しているにも関わらず、対応できていないのです。このような状況を見るにつけ、建設業では、職務を特定の人に任せたやり方が残り、システムとして捉えていることがないのです。人が支配しているならば、その人を変えるしか方法はなく、これも大きなリスクを伴う判断になってしまうのです。

次回は、このような状況を打破するためにはどうすればよいのか考えていきます。

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