コストマネジメントによる戦略的な組織構築(11)

今回も引き続き、コストマネジメントと現状の原価管理の違いについて考えます。⑤「経営的な能力向上」です。まず、経営的な能力とは、様々な知識や能力が必要となりますが、例えば、将来的な展望を持つことや貸借対照表などの経営指標を理解すること、リスクヘッジを行うこと、事業戦略を構築すること、その事業戦略から活動レベルのアクションプランに落とし込み、活動を検証することなどが挙げられます。

これらの経営的な能力を経営幹部或いは候補者に習得させるために、経営者は何をすべきでしょう。単に経営者の後姿を見せるだけでしょうか。とりわけ、後継者には、絶対に必要なプロセスになります。現場や営業を経験させ、経理や資金繰りを管理させることも必要かもしれませんが、肝心な経営的な能力習得としては、片手落ちです。

多くの中小企業では、上記のような経営的な能力を明らかにしておりません。売上げが減少したや原価率がアップしたといって一喜一憂しているということは、全く経営的な能力を疎かにしてきた大きな原因です。

そこで、コストマネジメントにおける重要ポイントは、経営者を支えるべき右腕を創るために、この経営的な能力の向上をめざすプロセスがきちんと組み込まれていることです。育成するための環境を創ることや目の前の課題に挑戦させることなどです。現経営者がいればこそであり、突然の訃報などのリスクは、倒産に限りなく近くなります。これに対して原価管理は、単に原価管理などの業務知識を習得させるだけです。経営を任される社員が育つことはありません。経営のための数値を算出し、事態の悪化は見て取れますが、その数値がどのような意味を持つのか、原因は何なのかなどに言及することがなく、担当者の域を出ることはありません。

次回も引き続き、コストマネジメントと現状の原価管理の違いについて考えます。

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