コストマネジメントによる戦略的な組織構築(6)

今回は、中小建設企業の経営者にコストマネジメントが受け入れられない理由について考えます。多くの中小建設企業の経営者が、経営について考えていないということはありません。但し、目の前の受注や配置技術者の調整、地元で選出されている議員の選挙活動などが優先され、明日の企業経営について議論することがないように見受けられます。経営者自身の経営哲学や将来へ向けた戦略などについて、経営者にマイクを向けてもあまり反応しない方が散見します。

こうした状況を見るにつけ、企業にコストマネジメントが根付くのだろうか心配になります。将来と言っても2年先、3年先です。継続的に目標利益を確保するために、具体的な方策まで落とし込み、社員にどのように活動させるのか、組織を動かすことなどは、非常に難しい課題です。やるべき課題は山ほど存在しますが、一向にコストマネジメントに移行する気配が感じられません。

一例を紹介します。

「ある企業は、毎年発注される公共工事を受注するなど、官に依存した企業です。発注が減少すれば、それなりの受注となり、期毎の売り上げは公共工事の発注に影響しています。将来を見据えた自社の事業計画もないまま、本来やらなければならない経営課題にも手が付けられない状態です。企業の将来に大きく影響する生産性向上にも取り組まず、利益確保が厳しい状況で、社員の採用もできません。働き方改革が叫ばれている中、社員の残業時間の削減、休日の取得もままならない状況です。従って、社員のモチベーションは下がる一方です。」

さて、上記の企業は、改革の必要性は感じているものの、各論に入ると途端にトーンが下がり、他人事或いはできないといったあきらめにも似た声が組織内を駆け巡っています。特に、「かかるコストは掛かるもの」という意識、積み上げ予算に間違いはありませんが、儲けるという意識が社員に欠落しているため、そこに知恵や創造性などアイディアを醸成する環境が構築されていません。コストマネジメントは、あらゆる考えを導入し進化させることが重要な要素となっていますので、社員のやる気に火をつけ、改革を進めていく考え方なのです。

さて、次に実際の業務において、コストマネジメントが如何に優れたシステムであるかを考えます。

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