取締役の職務に着目する(7)

今回も引き続き、取締役が大綱の起草や内部統制システム構築、そして運用する際の注意点について考えます。今までの注意点は、①「統制環境の整備」、②「リスク評価」、③「統制活動」でした。

次は、④「情報システムの整備」です。情報システムを整備することは、コミュニケーションを補完する一つの機能を整備することになります。最近は、インターネット環境が飛躍的に技術革新の一途を辿っているため、業務の効率化を図る上では、重要な機能です。この様々な情報を、社内で或いは社外でどのように運用するかで、業務効率の良しあしに繋がるわけです。例えば、情報の識別、伝達、入力、書き込み、集計、出力などの処理、保管、破棄などの機能を整備することです。

特に、業務の価値向上に繋げるために、社内ネットワークのインフラ整備だけではなく、この情報システムをどう管理するのかも重要なのです。ソフトを導入すれば或いはシステムを構築すれば良いといった考えが大きな間違いの元なのです。さらに、重要な注意点として、双方向性を有することや正確性と適時性を確保すること、機密情報の漏洩防止、行動規範を逸脱した情報のチェック、必要な情報の遮断が起こらないことなども併せて考える必要があります。

次は、⑤「監視活動」です。監視活動とは、社員から報告を受ける内容とは別に、事実を確認できるようにする活動のことです。取締役という立場では、自らの耳で聞き取った内容や自らの目で確認した事実などから、整備したシステムの良し悪しや運用状況を正しく評価し、是正の必要があれば、間髪を入れずに行うことです。又、第三者である外部の専門家による完全独立した監視活動を行うことも場合によっては実施すべきです。取締役の主観や感情で判断したことは、得てして正しい是正ではないと見られることもあります。その場合にも有効な手段として活用すべきです。

以上、取締役の職務を確実に遂行していくための大綱の起草や内部統制システム構築、運用の注意点です。

普段の取締役の職務は、部門責任者の職務が中心に動いている場合も散見しています。そのため、本来の取締役の職務から目を逸らしてしまうかもしれません。そのことが、企業に多大なるリスクを発生させている可能性は否めません。今一度、取締役の職務に着目し、本来の職務は何かを問う時間を作って頂きたいと思います。

さて、次回以降は、自著「進化するコストマネジメント」より、コストマネジメント或いはコストマネジメントシステムについて解説致します。

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