取締役の職務に着目する(6)

今回も引き続き、取締役が大綱の起草や内部統制システム構築、そして運用する際の注意点について解説します。前回までは、①「統制環境の整備」、②「リスク評価」でした。

次は、③「統制活動」です。統制活動とは、策定した大綱やアクションプラン、そして内部統制システムなどが、適正且つ効果的に遂行されているかのチェックアンドコントロール、見直しを言います。多くの中小建設企業で、組織が行うべき業務遂行をルール通りに行わないことやリスク回避のための処置を躊躇することが度々発生します。これは、当然やるべきことが実施されていない状況が見受けられるということです。原因の主なものは、業務を仕切るべき幹部などが見過ごすことです。さらに、見過ごしたことが明らかにならず、記録にも残っていないというものです。初めから統制することが理解されていないことも原因の一つです。

この見過ごしを未然に防ぐためにも、統制活動は重要な取締役の職務なのです。しかし、残念ながら多くの取締役にこの認識が欠落しています。であるならば、外部の専門家を入れ、統制活動を行い、最終的には自分たちでできるようにすべきです。

中小建設企業では、取締役と部門責任者が兼務している場合が多く、このこと自体は問題ではありませんが、それぞれの職務が機能することが重要であり、とりわけ取締役の職務が機能しない場合が散見しています。この場合には、まず外部の専門家を活用することを躊躇しないことです。大事なことは、統制活動を実施し、大綱や内部統制システムの見直しが客観的に評価され、取締役会へ報告されることです。一般の社員は、この状況を殆ど理解することなく、会社の状況が悪化しようが、その原因もわからずにいます。組織を構成する社員は単なるコマではありません。取締役という立場の人が本来の職務を全うしないことが、どれほど会社に危険な状況を招いていることを認識すべきです。

さて、次回も引き続き、取締役の注意点について解説します。

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