取締役の職務に着目する(3)

今回は、本来の経営を担うべき取締役の職務に着目します。さて、取締役の職務について、取締役設置会社の場合で説明します。

さて、取締役の職務は、大きく4つの職務に分類されます。①「大綱決定」、②「他の取締役の職務監督」、③「業務の執行」、④「取締役会へ報告」です。さらに、これらの職務を確実に遂行させるために、整備並びに運用が重要です。つまり、職務の認識だけでは駄目で、システム化し、運用してはじめて評価に値すると言えます。そして、成果を出すことです。

まず、①「大綱決定」です。取締役は、取締役会において、会社の重要な業務(大綱や内部統制システム)を決定します。大綱とは、会社のあるべき将来の姿(基本方針、経営戦略、経営計画など)です。又、大綱は、事業目的や事業報告の信頼性に値するもの、関連する法令を遵守するものでなければなりません。内部統制システムとは、様々なリスクを正確に把握し、適切に制御し、これを乗り越えていくしくみのことです。大綱で決定されたことが、重大な問題を抱えることにならない様、監視し、コントロールするものです。

次に、②「他の取締役の職務監督」です。取締役は、取締役会において、他の取締役(例えば、代表取締役など)の職務を監督するというものです。監督とは、大綱の決定において、取締役自ら意思表示をすることや決定した大綱を定期的に見直すことです。又、組織の整備、手続きの確立、記録の作成等の実態を監視し、不備があれば是正するよう求めることです。

次に、③「業務の執行」です。取締役は、取締役会の決定に基づき、会社の業務を執行します。業務を執行するとは、大綱を起草することや内部統制システムを整備することです。又、取締役会で決定した大綱や内部統制システムに基づき、構築や運用の計画を具体的に立て(アクションプランなど)、それを実行することも重要なことです。

次に、④「取締役会へ報告」です。取締役は、任された業務執行の実態を取締役会に報告します。業務執行の実態を報告するとは、実行した状況と結果をアクションプランと比較分析の上、報告するものです。

以上より、取締役は、大綱と内部統制システムを構築或いは運用する責務を担うことから、業務責任者を兼務する場合があります。取締役会設置会社では、取締役会での決定或いは、他の取締役の職務を監督するという責務と部門責任者となり大綱や内部統制システム構築・運用するなど業務執行に対する責務があり、きちんと分けて職務を全うする必要があります。又、取締役会を設置しない会社でも、これに代わる役員会或いは部門長会があるはずであり、大きく職務が異なる訳ではありません。これら取締役の職務を理解し、本来の経営を担うべき取締役となるべきです。

次回は、取締役が大綱の起草や内部統制システム構築、そして運用する際の注意点を挙げ、説明します。

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