建設業の労働生産性を高めるためには(5)

今回は、次の3つの課題(①「標準工程、標準施工による管理」、②「設計、積算強化」、③「生産システム体質改善」について、施工の質向上に向けた取り組みを考えます。

まず、①「標準工程、標準施工による管理」です。よく、建設業の工事は、自然条件や気象条件に左右される屋外作業では、作業の標準化ができないと言う人がいます。又、標準的な作業手順を考えることはできるが、あくまで標準的な作業手順であり、どの施工においても適用されるわけではないため、標準化しても意味はないと言います。本当にそうでしょうか。どう考えても、単なる言い訳に過ぎないように思えます。

何故ならば、工程や予算はどうやって算出されているのかと言えば、標準的な作業手順や工程、標準的な歩掛り或いは施工単価、そして機械等の稼働率も基準にします。しかし、最後は経験則だとも言います。その経験則も行き着くところ、標準的な作業手順や歩掛り等に基づくものなのですが、それでも認めない人もいます。

さて、VE案を作成した技術者は、わかると思いますが、コストダウンを図るために更なる代替案を考えていくものです。但し、VE案は、標準工程や標準施工が前提にあり、比較検討されなければなりません。つまりVE案は、標準工程や標準施工と何がどう違うのか、メリットは、デメリットはと提案され、評価されるものです。決して単なる経験則では、提案にならず、議論にもなりません。比較する対象があって、代替案は意味があります。

従って、標準工程や標準施工をきちんと管理することが重要なのです。ある自然条件や気象条件、或いは現場条件や施工条件、そして契約条件に至るまで、明らかにすることで、施工の質向上に繋がります。

さて、次回は、残りの課題について考えます。

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