改革を進めるための専門家活用(8)

今回は、前回までの専門家活用の失敗例を踏まえ、このような失敗を繰り返すことなく、成果に繋げるために、専門家を上手く活用するポイントを考えます。まず、そのポイントを列挙します。

①「専門家活用の目的を明確にして依頼する」、②「単発の研修は絶対に避ける」、③「専門家との情報交換、結果検証、新たな課題設定及び具体的な指導計画立案に時間をかける」、④「社員の活動実態を報告させる」、⑤「建設業界の課題について議論する」などです。

まず、①「専門家活用の目的を明確にして依頼する」です。さて、社員誰もが仕事をする上で目的があります。その目的に向かうための手段を考え、我々社員は行動します。その目的達成には、手段の善し悪しにより大きく差が発生します。

同様に、専門家も経営者から依頼内容(目的)を聞き、目標達成に導くための手段(処方箋、指導計画など)を立案の上、提案します。専門家の指導は、製品や構築物のように形があるわけではなく、成果もイメージしにくいものです。特に、システム構築などは作るだけではなく、運用というプロセスを経て成果が徐々に見えてきます。そのためにも、専門家を活用するには、何のための依頼なのかを明確に示し、専門家から提示された内容(企画)が、目的と手段が連動し、論理的且つ具体的なものなのかをきちんと評価すべきです。

例えば、「若手技術者の早期育成」が目的だとします。すると、様々な研修メニューが専門家から提示されたとします。果たして、目的に向かう手段が、これら研修メニューでしょうか。研修は、あくまで専門家からの情報提供に過ぎません。この情報を使い、自社オリジナルの若手技術者向けの教育カリキュラムを構築するのであれば、少し前進です。しかし、まだ足りません。つまり、実践的な情報は自社のノウハウとして蓄積された情報です。又、指導者となるべきも自社の先輩上司です。この先輩上司を通じて教育されてはじめて生きた教育がなされ、成果に繋がっていくことでしょう。安易な研修メニューだけに毎年飛びついて終わるようでは、目的に対する手段にならないばかりか、成果にいき着くこともないと覚悟すべきです。

そして、専門家が漠然とした企業の依頼に、容易且つ大丈夫だと言う返事も怪しいと考えるべきです。漠然とした目的は、必ず具体的な目的に落とし込むために、経営者の話を聞き、このような目的でよいかを経営者に確認する専門家でなければ駄目です。目的と的外れな手段では、企業にとり無駄な手間と大金を使うことになります。

次回も、引き続き専門家を上手に活用するポイントについて考えます。

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