改革を進めるための専門家活用(7)

今回も、前回に引き続き専門家活用の失敗例を考えます。まず、③「システムの見直しが終わっても改革は進まない」です。企業は、今、様々なシステムの見直しを行う必要に迫られています。例えば、経営そのものであるコストマネジメントシステム、或いは施工管理システム、営業管理システム、さらには全てに共通の文書情報管理システム等多岐にわたります。見直し方法にも様々な選択肢があります。一つは、手軽な簡易ソフトで済ますもので、値段もお手頃です。又、専門家を呼び、プロジェクト体制でシステムを見直すこともあります。

ところが、システムの見直しが終了すると、改革が終了したと勘違いをする経営者並びに企業が存在します。つまり、システムを運用し、成果を上げることが本来の目的であるにも関わらず、運用以降に力を注がない場合です。これでは、無駄な費用をかけただけで、使い勝手も悪化し、そのうちもとに戻る可能性大です。従って、システムを見直すことは必ず必要となりますが、つくれば終わりではなく、新たなシステムを構築したら、モデル運用、評価、本運用、定期的検証、成果の確認といったサイクルを繰り返していくものだと捉えてほしいものです。

次に、④「経営者自身、真の体質改善を考えていなかった」です。例えば、1日や2日の社員研修を考えて頂きたい。研修により、社員の意識が変わり、仕事にプラスとなればよいといった軽い気持ちで社員の能力向上を考え、専門家に依頼するとします。単発の研修だけで体質改善が終了するならば、その後、意識が変わったことや仕事にどのような影響を与えたか等をどのように評価しているでしょうか。そのうち、忘れ去られて終わりです。このような軽い気持ちで社員研修を行う体質こそが問題です。経営者は気づいているでしょうか。実施することは、意味があります。その意味を考え追求する取り組みであれば良いのですが、単に実施してみるだけや予算の消化、内外への体裁では全く意味がありません。

こういった社員研修時、専門家に依頼した段階で、問い掛けがあるはずです。例えば、「これは、何のために実施するのか、誰のための研修か、研修結果をどう評価していくのか等」これらの問い掛けに、予算上或いは毎年実施していることなのでと、やんわり断る場合がありますが、受ける社員がまさにかわいそうです。是非、本気で企業の体質改善に立ち向かう気構えが必要です。大事なことは何のために実施するのかです。

最後に、⑤「専門家との情報共有を疎かにした」です。この例は、専門家の企画書或いは指導内容も信頼のおける内容でありながら、経営者との普段の何気ないやりとりや情報交換を疎かにすることで、経営者と専門家の関係が一気に冷めてしまうことです。専門家にとり、企業に訪問し、プロジェクト活動のみならず、情報交換や面談、現地視察、そして昼食や夕食、一服に至るまで指導中だと言えます。加えて、メール交換や電話でのやりとり全てです。専門家の何気ない一言や態度が、企業及び経営者に、「おや」と疑問視されることがあってはなりません。さらに、プロジェクト活動にて感じたことや社員の意識、言動、行動の変化も見過ごすことも同様です。又、次回やるべきことが不安では最悪です。

このように、専門家は、常に経営者並びに企業に対し、今、社員の誰が何をやらなければならないか、それはいつまでなのか、どのようにやるのか等を明確にしてやることが重要です。改革のプロセスを見せるということです。これが不明確だと経営者は不安だからです。さて、これまで専門家活用の失敗例を紹介しました。次回は、このような失敗をしないために、専門家を上手く活用する方法を考えます。

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