改革を進めるための専門家活用(2)

今回は、「相談したいと思う専門家とは」と題して、経営者の皆様が依頼時にみて頂きたいポイントを考えていきます。そのポイントとは、次のような視点を持ち続けていることです。

①「地方の建設業をこう変えたいという熱い思いを持っていること」、②「企業の歴史を紐解き、経営哲学や経営理念等に触れること」、③「戦略的、論理的思考を持ち創造企業に創り上げようとすること」、④「組織の活性化とパフォーマンス(費用対効果)向上に主眼を置いた指導であること」、⑤「依頼人(多くの場合、経営者)に寄り添った指導と気配りができること」、⑥「依頼人との約束を守り、契約を履行すること」、⑦「診断技術、コンサルティング技術を持っていること」

まず、①「地方の建設業をこう変えたいという熱い思いを持っていること」について考えます。依頼人は、専門家と相対する時、次のような心配があります。自身の考えや思いと専門家が描いているものが異なっている、或いは許容できる範囲なのか、又全く改革の姿が根本的に異なるのかなどです。一緒に改革を進めていくには、信頼関係を構築できる人物でなければなりません。

但し、依頼人と専門家の価値観などは当然異なるものと考えるべきです。専門家は、依頼人の依頼内容に基づき、指導企画を立案します。従って、全て専門家の考えに沿って改革を進める訳ではなく、あくまでも依頼人の依頼内容が基本です。もし、どうしても専門家が抱いている見識や根底にある考えは、専門家の著書などに表れています。この著書には、地方の建設業界を取り巻く環境変化の中、中小建設企業はどうあるべきなのか、時代感覚を持ち見識を持っているのだろうか等々が垣間見られると思います。その上で、依頼人自身との考えと大きく異なる考えを持っている専門家とは、一緒にできないと思えば、それは代えた方がよいと思います。

次に、②「企業の歴史を紐解き、経営哲学や経営理念等に触れること」について考えます。専門家が唯一依頼人に求めることは、経営哲学や経営理念です。専門家は、依頼人が、自身の企業をどうしたいのか、どのような経営をしようとしているのかなど、その根幹にある考えや思いを知りたいのです。しかも、その依頼人の考えや思い(経営哲学や経営理念など)は、どのように培われてきたのか、企業が辿ってきた歴史を紐解くことで繋がるものです。依頼人或いは創業者たちが、過去の苦しい時期をどのようにしてくぐり抜けてきたのかに、大事な経営のヒントが詰まっているからです。つまり、創業者たちの声を聞くことで、依頼人の真の声が分かります。

次に、③「戦略的、論理的思考を持ち創造企業に創り上げようとすること」について考えます。専門家は、企業を改革する上で、この考えを重要視します。特に、地方の公共工事中心の企業は、年度毎に発注される工事を待ち、その工事で1年間の経営活動を行ってきました。右肩上がりの時代には、必ず一定量の工事が確保できると考え、増加を考えても安心感がありました。そのため、戦略的な受注活動は必要ありませんでした。ところが、受注量が減少或いは制限された環境下では、公共工事だけの受注で、企業が安心できる受注量は確保できなくなりました。しかし、依然として依頼人の多くは、外へ踏み出す勇気がなく、限られた公共工事にしがみついている様子を散見します。改革は、この状態をぶち壊すことです。健全な経営活動に変えるために、戦略的、論理的思考を身にまとい、創造企業に変身して頂くことなのです。

さて、次回も引き続き、「相談したいと思う専門家とは」について考えます。

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