将来を創造する職務再設計(19)

今回は、前回に引き続き、社員教育により能力向上した成果は、どのように評価されるべきか考えていきます。

まず、一つ目は成果に見合う報酬です。人事考課と連動することは論を待たないでしょう。本来、労働の対価であるべき報酬を考える上で、その労働の対価と報酬が適正な姿なのか常に疑問が残ります。

一般的に新人の時は、報酬の方が労働の対価を上回り、円熟味を帯びた頃になると、報酬より労働の対価が上回ると言います。以前年功序列をベースに賃金が支給された時代では、評価に大きな格差が生じることはなく、頑張っても同じとモチベーションには繋がらない評価でした。但し、安心して退職まで働けることが約束されていました。しかし、今や高齢社会においては、固定人件費の削減が叫ばれ、年功ではなく成果により社員を評価することが求められてきました。すると、賃金テーブル(支給の基準)の再設計なくして固定人件費の増加に対処する術がなくなってきました。

つまり、能力向上を図り、生産性向上や価値向上を図らない限り、企業の発展は見込めないということです。能力向上を図り頑張った社員に少しでも多くの賃金を支払うことができるよう評価し、そうでない社員には、当然賃金を押さえることになります。

二つ目は、報酬と連動しますが、社員は評価により表彰或いは経営者から直接お褒めの言葉を頂くというものです。社員は、評価により企業から人として素晴らしい社員であり、とても頑張ってくれたとして褒め称えられ、認められることもモチベーションアップに繋がります。従って、企業は、社員が能力向上を図り、成果を上げてくれたことに対し、絶大なる評価をし、責任ある職務に就かせ、企業に貢献していることを気づかせていくものです。

三つ目は、自分で自分を評価するものです。客観的に自己実現できた自分を評価することで、目標達成できたとして満足することです。これは、他の誰もが評価してくれることではなく、頑張った自分を、自分自身で祝福する行為です。能力の高い社員においては、もう一人の自分こそが最高の評価であり、モチベーションに繋がることだと言います。

このように、能力向上した成果に対する評価が、社員のモチベーションに大きく影響を及ぼし、企業の利益確保や成長に繋がることになります。企業の改革を進める上では、一つ目と二つ目の評価で十分です。

さて、将来を創造する職務再設計については、今回を持って終了します。次回からは、中小建設企業が現在厳しい時代を生き抜くため、或いは改革を断行するために、第三者である専門家の活用についてお伝えします。中々自社だけでは改革が進まないと言います。企業が大きなダメージを受ける前に、又立ち直るきっかけとなるよう是非専門家の活用をご検討下さい。

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