将来を創造する職務再設計(11)

今回は、工事部長、営業部長に引き続き、管理部長のマネジメントの職務について考えます。地方の中小建設企業の管理部長(総務部長と呼ばれる企業が多い)と言えば、営業部や工事部を支える立場であり、庶務、経理、財務、人事などを統括する立場です。その職務は、マネジメントするというより、「手続きの処理をする」「書類申請」「支払い」「書類作成、整理」など、処理業務的な職務と思われがちでした。

しかし、掛かる費用が経営を圧迫するなど決算に影響する場合は、処理だけではなく戦略的な取り組み、例えば、投資などの資金活用、効率的な業務運営など、まさにマネジメントが必要とされています。

管理業務の中でも人事という機能は、募集・採用・育成・評価・退職に至るまで、人材開発を担う重要な位置づけです。つまり、管理部長の職務は、組織を構成する社員の知識や能力向上という企業の経営の質を高める上で最重要な職務を担っていると言うことです。マネジメント抜きには考えられない職務です。さらに、管理部長は、全社を横断的に繋ぐ機能(例えば、情報管理、システム管理、安全衛生管理、防災管理、危機管理など)を担う場合もあり、経営者の片腕として機能する場合も多いのです。そこで、管理部長が行うべきマネジメントの5つの機能について考えて見ましょう。

まず、計画では、事業計画策定があります。管理部長の職務は、営業部及び工事部から部門戦略が示されると、そこに管理部の一般管理費等の経費を加え、事業計画全体像を描くことになります。勿論、財務戦略、人事戦略も加わります。最終的に費用バランスを考え、適正な営業利益、経常利益を確保できるように策定します。

このような企業も散見します。例えば、「掛かる経費はしょうがない。営業利益が確保できない。」と言って、責任は自分たちではないと。本来、管理部長が、この事業計画を策定する上で、きちんと落しどころを提示することこそ腕の見せ所なのです。そして、健全な企業経営を営むために、目標数値と戦略をマッチングさせ、営業部長や工事部長を説き伏せることです。

そこで、管理部長は、営業部長や工事部長に対し、更なる受注数値の確保要請やコストダウン対策をすることになります。但し、一般管理費の削減も例外ではありません。さらに、次のような要求が営業部長や工事部長からあります。受注量の確保や施工体制の確保から、社員の増員、つまり人件費の増額を要求することがあります。素直にこの要求に応えることはできませんが、この言い分を無視することはできず、生産性の善し悪しや業務の効率化における調整が必要になります。このように、管理部長は、事業計画策定においては、建設的な計画を求めるだけではなく、業務を効率的に進めるなどの改善も合わせて行う必要があるのです。

次に、組織化では、管理部自身の改革姿勢が問われます。管理部は、間接部門であるため、より少ない人員で効率的な業務遂行が求められます。IT化を通じて経費削減を進める必要があります。以前の管理部は、事務所内に事務社員で溢れていました。何故ならば、雇用の受け皿として女性社員を採用し、効率的な業務設計が遅れていたからです。しかも、管理部の社員が、工事部のサポート部隊となり、本来工事部で作成すべき書類を作成していました。この際、管理部の職務をきちんと見直す必要があります。

次回も、引き続き管理部長のマネジメントの職務について考えます。

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