将来を創造する職務再設計(10)

今回も、前回(9)に引き続き、営業部長のマネジメントの職務について考えます。前回は、計画、事業計画策定についてでした。営業部長として、特に、市場調査やSWOT分析などに基づき営業戦略を考えるとしました。

次に、組織化についてです。営業部長は、機能に着目した組織化が重要です。機能を満たした人的資源を配置する必要があります。その機能とは、「受注獲得」これは一般的な受注活動を言います。そして、「事業開発」これは、現在の事業が衰退する前に、次の事業の仕込みをすることです。「広報」これは、プロモーションです。自社をお客様に知って頂くために行います。「アフターメンテナンス」これは、引き渡し後定期訪問などにより使い勝手や修理の必要性などを確認し対応するものです。「顧客管理」これは、お客様履歴書の作成により何時どのようなサービスを提供すればよいのかなどを管理していくものです。しかも、大事なことは、それぞれの機能は連携します。各機能が単独で行動するようになると、自己満足の世界となり無駄な活動となります。常に、全ての機能を意識した組織化を行う必要があります。

次に、命令についてです。命令は、工事部長とほぼ同じ職務です。地方の中小建設企業の営業活動は、個での活動になりがちで、それぞれの情報が共有化されません。一元管理されないのです。営業部長は、営業活動を個で行わせるのではなく、チームで活動させる環境にすることです。特に、営業部長の命令は、多くの機能に携わる組織構成員(営業機能は、営業部の社員のみならず、他の工事部、管理部なども全て対象)を束ねる必要があります。確実に受注に繋げていくためには、情報を一元管理し、スピーディー且つ同じ方向を見据えて行動起こしていくことです。この営業部長の命令は、組織の士気を大いに高めることになるのです。

次に、交渉についてです。営業部長の交渉も、工事部長とほぼ同じ職務です。「リエゾン」、「周知徹底」、「障害処理役」、「スポークスマン」です。特に、4つ目のスポークスマンの職務は、とりわけ重要です。顧客管理という機能で、メディア対応や宣伝活動で、企業の知名度を大きくします。企業の価値をお客様に理解して頂くためにもこのスポークスマンの職務は大切です。地方の中小建設企業は、外へ向けた情報発信が少なく、閉鎖的且つ内向的なところがあり、自社を売り込む意識が欠落しています。何を売り込むのか、分かりやすく且つ親しみやすい企業、そしてサービスをアピールすることこそ、まさに営業部長の腕の見せ所です。

最後に、統制についてです。営業部長の統制は、計画における戦略へのこだわりが問われるところです。営業部の戦略は、大きなリスクを抱えています。受注減少即経営の悪化に連動します。また、多額の設備投資を使う選択をすることも大きなリスクを抱える所以です。しかも、お客様のニーズは変りやすく、受注に直結します。従って、統制は、タイムリーな情報収集の中から、受注に結びつくホット情報を、把握していくことが求められます。又営業部長に取り醍醐味でもあります。統制が機能していない一例を挙げれば、次のような場合です。

例えば、定期的な営業会議で対面報告を受けてはじめてことの一端を知るような統制では、全く意味をなしません。毎週、営業会議を行っているので統制していると勘違いしている営業部長の典型的な例です。他部門を含めた多くの営業担当者が活動している中、顧客情報にアンテナを張り、タイムリーに情報をコントロールしてこそ営業部長が職務を全うしたと言えるでしょう。

さて、次回は、管理部長のマネジメントの職務について考えます。

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