将来を創造する職務再設計(9)

今回は、営業部長のマネジメントの職務について考えます。地方の中小建設企業の営業部長は、戦略を構築することがないある特徴があります。官庁からの天下り社員など公共工事に依存する形で、受注活動が行われるという特徴です。例えば、ある公共工事に依存している企業の営業部長が、このようなことを言っています。「営業目標数値は、設定できない。自社の営業戦略は、公共工事頼みで、戦略らしい戦略があるわけでもない。しかも、受注目標数値を掲げても意味はない。」と。

この様な中小建設企業は、一応事業計画を策定してますが、定量的な数値目標と抽象的な課題が設定してあるだけです。これだけの受注があった場合は、固定費からこのくらいの営業利益が見込めるというものです。つまり、事業計画も策定することだけが目的となっている企業の例です。金融機関の要請があり、策定しているケースもあります。いずれにしても、事業計画を策定後、定期的に実績比較や検証が行われることはありません。

従って、以前の営業部長の職務は、談合などが主な職務でしたが、今では民間受注も売上げを確保するために必要ですし、新たな事業開発も求められるなど営業部長には、既存の営業スタイルからの脱却を求められているのです。そのためにも、マネジメントが機能しない状態では、営業部長でいる必要はなく、単なる営業担当者に過ぎません。早期に、次のマネジメントの5つの職務を理解して頂き、習得に努め成果を上げることです。

まず、計画では、工事部長と同じく事業計画策定があります。経営者の基本方針に従い、企業の基本戦略が構築され、営業部門戦略を構築することになります。企業は、受注ありきです。いくら工事部隊が精鋭でも、受注がなかったら意味がありません。受注は、全てに優先される事案です。通常、事業計画は、中長期事業計画があり、単年度の事業計画が存在します。いくら目の前の事業だけ追いかけても何時まで続くか分かりません。次の事業や顧客のニーズに沿ったサービスを考えていかなければ遅れをとり、受注に結びつかないことになりかねません。従って、大事なことは、将来の事業の柱を構築し、継続的な受注確保をめざすための戦略を構築することです。本来は、当面の受注確保が軌道に乗っていることが前提ですが、現実的には当面と将来の双方を同時に進めることになる企業が散見します。

さて、その将来の事業の柱を考えるには、市場調査やSWOT分析、そして経営者の強い思いなど経営哲学や理念も問われます。特に、事業を行っている市場の脅威と機会は、常時調査しその動きを監視しなければなりません。さらに、自社の強みと弱みの実態も重要です。とりわけ人的資源に関することは重要な要素です。これらをクロス分析させながら重点的に取り組むべき課題を設定していきます。

次回は、引き続き、営業部長のマネジメントの職務について考えていきます。

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