組織のあり方についての考察(5)

前回は、部門長についてお話ししました。中小建設企業では、役職者と言えども担当業務を担っている社員が多く存在します。課長も同様です。本来は、部門長を支える機能を担うべきです。担当者と部門長を繋ぐポジションで有りながら担当者の域を出ない企業が散見しています。何故でしょうか。

給与に差をつけるだけの課長職である場合が殆どです。担当者時代から実務経験だけを積み、昇級昇格の先に課長が待っています。但し、課長になったからといって、職務は依然として担当業務のままです。新たな職務を要求されることはなく、請負金額の大きさや施工の難易度により変わりますが、やるべき職務は同じです。

このような状況を打破するためには、担当者の職務に加え、課長としての本来業務であるマネジメントを与えることです。例えば、①部門長から提示された方針や施策の水平展開、②担当者へ具体的な活動指示及び監視、③指示業務の確認、検証、見直し指示、部門長への報告、④指導する部下の教育計画立案、習熟度合い把握、評価など。

課長の職務は、大きく分けて担当者業務とマネジメントです。又、中小建設企業では、専門職(原価管理、購買、技術開発など)部署を設置する組織はありませんので、これらも兼務する可能性があります。いずれにしても、新たな職務を明確に設定し、その遂行業務を正しく評価できるようにすることです。曖昧な指示は今後の働き方改革に障害となります。きちんとシステムで業務が遂行できるようにしなければ、他の社員ではできない、或いはチームで助け合うことができない、属人的な一匹狼となります。つまり、組織でパフォーマンスに繋げることができない従来通りの組織となるからです。

特に、課長及び部門長も同様ですが、担当者の職務以外の職務が機能しないのは、企業側に責任があります。明確に課長や部門長の職務を明示し、評価しないからです。担当者の職務と同様にマネジメントを職務と位置づけ、正しく評価できるシステム設計を行うべきです。しかも、評価した結果を報酬に連動させることはいうまでもありません。これから益々社員のモチベーションに繋げる取り組みが必要です。生産性向上、業務の価値向上などを社員に要求することは、将来を創造するためには絶対必要なことだからです。報酬が伴わない労働はありません。社員は、報酬を得るために働きます。働き方を変えるには報酬を得られる働き方にしなければ働き手を納得させることはできないと言うことです。仕事さえ与えていれば、社員は満足しているなどと考える経営者は存在しないと思いますが、現実はこの考えと大きく変わりません。

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